わくわくさんのにっき

おかねもじかんもあるおとなになる

日本語の達者なトルコあんちゃんに注意。

この話は2014年の夏、バックパッカーのデビュー戦でトルコを訪れたときのこと。

 

たった10日間の滞在ではありましたが、首都イスタンブールと気球で有名なカッパドキアを巡る刺激の多い旅でございました。(中東情勢が悪くなる直前のタイミングだったので本当にラッキーだった..。)

 

トルコはアジアとヨーロッパの境目に位置する国。映画インフェルノ(トムハンクス大好きなんです。)に文化と文化が交錯する地として登場し、歴史的にみてもオスマン帝国の興亡やイスラム圏の繁栄など、世界史を彩る要所ですよね。

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有名なアヤソフィアはなんと駅からものの3分で到着してしまいます。あっけなく今回の目的地に着いてしまう。

ブリーチにでてくるラスノーチェスに似てんなあ、という率直な感想。

 

 

生まれて初めてのイスラム圏ということで、街じゅうに突然流れ出すアザーンや、その歌に合わせて礼拝を始めだす人々に終始感嘆しっぱなしでした。

 

食べ物もほんとうにおいしくて、トルコアイスケバブ、菓子パンのスィミット、話題のサバサンドなど、毎日ひたすら食べ歩いてましたね。

 

 

 

しかし、事件はトルコに到着して2回目の夜、僕が1人でアヤソフィアを写真に撮りに出歩いていたときに起こりました。

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ちなみに夜のアヤソフィアはライトアップもされててめっちゃきれいです。

 

 

「おにーちゃん!写真撮ってくれない?」

 

急になじみのある言語を聞いて振り返ると、いかにもイスラム圏、という顔のお兄さんが。

 

 

「一枚でいいから!お願いシマス!」

 

こういう異国の土地で日本語で話しかけられると、ついつい顔がほころんじゃいますよね。もちろん、と写真を撮ります。日本語うめーな、おい。って感心していると、カメラを返し際、お兄さんがフレンドリーに話しかけてきます。

 

「日本人でしょう?日本のどこから来たの?」

「僕日本人の彼女いるんだよね。」

「これこれ、カワイイでしょ!待ち受けなんだ。」

「日本人は可愛いよね、本当に」

「でもオッパイが少し足りないけど.....。」

 

矢継ぎ早に繰り出される上手な日本語で、一気に相手のペースに持っていかれます。下ネタなんかも織り交ぜてくるからおもしろくてしようがない。

 

 

自分自身も初のバックパッカー旅なんて意気込んでましたから、突然の出会いにボルテージがどんどんあがってきます。旅最高~なんてのんきに考えていました。

 

なんやかんやで近くのベンチで30分話し込んで、気分はすっかり上々の僕。

すっかり相手に気を許した僕に、お兄さんからお誘いが。

「近くにいいバーあるんだけど、飲みに行かない?おごるよ。」

「日本人と会うの久しぶりだからうれしくてさ。」

 

断る理由もないし、なにより彼とは打ち解けていた(、と思っていた)ので、二つ返事で彼とバーへ向かうことにしました。

 

「5分ぐらいでつくからね~。」

 

近いじゃん!!と尻尾ふってついていく僕。

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まわりに人がちらほらいたことも逆に警戒心を弱くする原因でしたね。

 

しかし、5分経ってもつく気配がしません。

むしろぐんぐん元いた場所から離れていき、気づけばここどこ?状態

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人はいるからまだ安心なんですが、だんだんと猜疑心が湧いてきます。

しかしお兄さんフレンドリーに話を切らさないので、足も止められず、ずるずるとついていくことしかできません。

 

「ここからタクシーで10分くらいなんだよね、乗ろう。」

 

(あ、あれ?5分て言ったんじゃ...。)

と思うもつかの間、すぐにタクシーが目の前に停車します。

(これもしかしたらやばいやつだ。)

 

とやっと気づくも時すでに遅し。お兄さんは僕の腰に手を回し、ゆっくりとタクシーの中へと押し入れようとします。

 

「ね、行こう?」 

 

笑顔で誘う彼に僕はますます混乱します。

こいつは単に良いやつなのか悪いやつなのか判断不可能。しかも座席のほうに身を押されているので考える時間すらない。

(いやいやいやいやいやいや......。どっちなんだお前。)

 

間一髪で身をよじらし、「ちょ、友達と一緒に来てるから連絡取らせて。」と時間稼ぎます。

 

混乱する脳みそを必死に整理するも、(結局お前どっちなんだよ。)しか浮かびません。そのお兄さんがタクシーの運転手と会話を始めます。トルコ語?なので全然理解できない。

 

10秒後、運転手がでてきたと思うと、なんといきなり僕の背中側から徐々に車内へ押し込もうとしてきました。

 

(お前もグルかーい!!!!!)

 

あー終わったな、と思った瞬間。僕は笑顔でおっけー!!と叫びます。

お、やった!と彼らが一息ついた途端に、来た道を全力疾走。中・高と一度もリレーの選手になったことのない僕ですが、顔面崩壊させて馬鹿みたいに走りました。

 

アヤソフィアが見えてくるまで一度も振り返ることなく走りました。人通りが多くなったところで立ち止まると、2人の姿はありませんでした。なんとか事なきを得たようです。

 

 

 

息を切らして家に戻り、「地球の歩き方」を手に取ると、タクシー強盗、睡眠薬強盗に注意!の見出しがちょうど目に入りました。

 

 

その後ネットでも調べてみると、トルコは観光客を狙った窃盗事件がお盛んだとのこと。うっわ、まさにこんなんやんけ。と言葉を失う僕。特に日本語の上手なトルコ人はトラブルの元だとか。事前にまったく調べずに行ったのがアホでしたが。

www.otoa.com

詳しい情報はここに載っています。

みなさんもトルコに行くときは十分気を付けてください。

 

 

 

 

しかし、もちろん旅の途中の出会いは旅の醍醐味の1つでもありますし、偶然に知り合った旅仲間と素晴らしい思い出をつくることも多々あります。声をかけてくる人たちが全員危ないなんてことはありません。むしろ積極的に交流を重ねている人も大勢いますし。

アンテナは常にはっておいて、自分の目で相手をしっかり見極めることが大事なんでしょうね。

 

 

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いやあ、あのタクシーに乗っていたら...。