就活が悪く言われる近頃だから、あえていいところを考えた。
一斉にスーツを着て、気持ち悪い。国葬みたい。
なんでみんな同じ髪型、同じ服にする必要があるのかわからない。
新卒一括採用なんてなんだよwwwおかしくねえか。
海外はみんな通年採用で、転職転職して成り上がっていくのに。
はい、何についてか想像つきますね?
お察しの通り、日本の就活(就職活動)に対しての不満たちです。
毎日汗をかきかき、足を棒のようにして歩き回る就活。
海外の就活(海外にはそもそも就活なんてないのだけれど。)と比べたり、日本の過酷な就職競争に嫌気がさして、ついこぼれる愚痴。「日本っておかしくねえか?」
ちょっとネットで調べると日本の就活オワコンww系の記事がごまんと見つけられます。よっぽど就活ってストレスがたまるんでしょうねえ。(完全に他人事)
YOUTUBEには、就職活動のリアルをアニメーションにしたものまで。
そんな僕も今年の秋から就活に参戦することになるわけでして。
個人的には就活に対して良い感情も悪い感情もなく、そりゃ他と比べればなんでも悪いところは見つかるでしょうよ。まあそれでもグダグダいいながら結局大半の学生が就活の波に飲み込まれていくんだろうな、って感じです。
しかしせっかくやるんだから愚痴を垂らしながらやるよりも楽しみたいじゃない。といういささかかっこいい(と自分で思っている)理由で、日本で就活をするいいところを考えてみることにしました。
新卒一括採用は悪いことばかりじゃない。
まず、『世界にも類を見ない日本独特の雇用慣行』(wikipediaよりhttps://ja.m.wikipedia.org/wiki/新卒一括採用)とも称される日本の一括採用。現在の就活の基本的なこのカタチが、ネットで最も批判を浴びている部分なのであります。
欧米諸国と勝手に比べて、「海外では自分で経験を積んでのし上がっていくのに...!」とおもわず考えてしまうであろうこの形態。
確かに、欧米の会社では個人のスキルが重視され、「じゃあ、君は何ができるの?」から始まる世界。即、戦力になって働けることが条件のため、学生は大学在学中や卒業後にインターンで経験を積んでから社会に足を踏み入れていくのが一般的。
大企業やより高いポジションほどこのスキルの高さが求められるからこそ、欧米圏では経験を重ねながら転職によって高み高みを目指していくことが美徳であるわけです。
一方、日本では就活の際に社会経験の熟達度や特別なスキルはほとんど重要視されず(そもそも相手は大学生なのだから。)、会社は一から人材を育てるのが慣例となっています。スキルも経験も0に等しい、生まれたてホヤホヤの新社会人を立派なビジネスマンに育てることも会社がサポートしてくれるということです。
個人的にこの考え方はすごく好きで、海外では入社時に求められるだろうスキルを、日本では0から2、3年かけて会社で働きながら学ぶことができるのは、おそらく日本特有なんじゃないかと...。
しかも日本では大企業さえ例外なく毎年多くの社会未経験者を採用して、研修制度で社会人としての素養とスキルを養っている。個人的に、将来起業したくても、ずっと海外を放浪していたくても、数年日本の会社で大人の基礎を学ぶことは十分に価値があると思います。
こんなブログよりもっとわかりやすくて、プロフェッショナルな記事を貼っつけときます。(笑)
大学は好きなことを好きなだけ勉強していい。
外国人と話していると、海外には大学の専攻学問=将来という図式があるんだな。とよく思わされます。What's your major?(何を勉強しているの?)と聞かれInternational Relations(国際関係論)と答えると、Non Profitsに興味があるの?とか、国際機関で働きたいの?とほぼ100パーセント返されます。
ドイツやアメリカが有名ですが、海外では専攻が基本的に重要視されます。どんな知識、スキルがあるか、そのフィールドにどれだけ精通しているか。まさに即戦力を求める上で欠かせない条件の一つともいえるんでしょうね。
日本ではどちらかというと専攻より学歴重視の傾向が強く(理系はちょっと違うけど。)、何を勉強していたかはあまり問われないのが実情だと聞きます。日本の会社ではみんな結局0からスタートするので、大学四年間何を勉強していようが就活には特に影響しない場合が多いからでしょう。(もちろん知識として法学やビジネス教養を知っているに越したことはないけれど。)
アメリカ出身のお笑い芸人厚切りジェイソンは、日本の就活に対してこんなコメントをしています。
多くの日本企業の新卒の扱い方が下手くそ。大学で4年も勉強した専門知識と経験を全部捨てって一からやり直させ、適当に仕事を割れ当てる。更にそういうやり方だからあまり価値が搾れ出せないので、低い給料しか払わない。お互いに不幸ダロウ。日本企業に勤める人は大学に行く意味はなんだったっけ?
僕は、これがまさにアメリカから見た日本だろうと思いましたね。
アメリカでは、大学は将来のための専門を極める場としての色彩が強いと言えそうです。
逆に日本では、言ってしまえば、大学で身に付けた知識なんて就職になんの役にも立たないように見える。僕なんか大学で好きな文化人類学や宗教学、アジア研究を勉強してきたけれど、面接で仏教について熱く語って、「なるほどなるほど~。」なんてうなずいてくれる仏な面接官がいるとは思えません。
厚切りジェイソンの主張が正しいのかどうかは置いておいて、しかし、今日はここからいいところを見つける日。さて...。
何を勉強しても会社に入ればみんな同じってことは、つまり、自分の好きなこ好きなだけ勉強してもいいってこと!じゃないかな?
将来総合商社に入りたかったとしても、いま貧困や格差問題にどれほど真剣に勉強してもなんら害はないわけで。将来食品メーカーに行きたくても、キリスト教の凄惨な歴史に熱中していいのだ。4年間好きなことを勉強して、そして会社に入ったら、またその時必要な知識を身に付ければいいんです。
これはすっごい朗報でございます。ゼミの課題をやりながら、「あーこれ、俺の将来に関係あんのかな~。」なんて悩む必要は無くなります。そもそも将来に関係しなくてもいいんです。(もちろん関係しているのならそれは素晴らしいことですよ☺)しかし、いま自分がやっていて楽しいならそれで120パーセントベーリーグッドなんです。
これで心置きなくコーランの勉強ができる~!はーと
どうでしょう。
もちろん比較されれば悪いところが見えるのも当然。しかも欧米リスペクトの日本人からしたらどうしても『日本的な』就活制度に茶々入れたくもなるわけです。
しかし毎日むすっとした顔で就活していても疲れるだけ。考えかたをちょっと変えて、気持ちが少し上向けば就活も楽しくなってくる?
実際に先に就活を始めた同期のなかには、「就活でこんなに自分について考えたこと無かった。就活って楽しい。」って言っている人もいるので、本当感じ方は人それぞれなんでしょう。
でも、これを見て「日本の就活って良いところもあんじゃん!」って気づきになれば本望です。みんな、頑張ろうね。