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卒業までに30か国いっちゃうぞ!(いま17)

「最低賃金なんかもらってないよ。」シドニーワーホリの現実

僕は現在オーストラリアはシドニーで1年間ワーキングホリデー生活をしています。

オペラハウス、ハーバーブリッジなど日本でもよく知られている観光地を有し、イギリス調の建物が軒を連ねる、土地も経済も人柄も豊かな国であります。

 

多民族多文化国家が売りのこの国では。街を見渡せばあらゆる顔が一度に目に入ってきます。アジア系、インド系、アラブ系、白人系、アボリジニ...。アメリカとカナダに並ぶ「人種のるつぼ」としても有名です。それによって日本ではワーキングホリデーの目的地としてかなり人気が高い。

 

ワーホリといえばWorkということで、今回はここオーストラリアの仕事についてお話します。

 

最低賃金がなんと17.7ドル!(約1400円)

低賃金の高さが世界一(17.7AUD)で有名なこの国。最低賃金でこの高さなので、レストランウェイターやアイスクリーム屋では時給20ドル越えなんて本当にザラ。

 

さらに、週末になると土曜日は時給×1.25、日曜は時給×1.5にもなり、祝日にもなるとダブルペイ、トリプルペイと時給が跳ね上がります。年末に時給45ドルで働いた、なんて話もよく聞きます。

 

一昔前までは賃金も物価も低かったらしいのですが、積極的な移民の受け入れとそれに伴う経済発展でここまでになったそう。

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こんなに好待遇なんて、つい日本でバイトするのが嫌になるくらいです。

そんならオーストラリア行って金稼いでくるわ。なんて考える人、いるでしょう。

 

しかしそううまくいかないのが現実。今回お伝えしたいのはそのお話です。

 

 

"ジャパレス"のもつ意味

実は、この高給な賃金が適用されるのはいわゆる"ローカルジョブ"と呼ばれる、法律に則った店舗や職場に対してのみ。あたりまえといえばあたりまえの話ですよね。

 

オーストラリアに来た日本人はみんなこの"正規"の仕事を目指していくのですが、残念ながらローカルで雇ってもらうためにはいくつもの障害があるのです。

 

最も大きな障害は英語力でしょう。もちろんどんな職種にせよ、現地で仕事をするためには顧客とも職場のスタッフとも円滑にコミュニケーションが取れるレベルの英語力が必須となってきます。 

 

さらには、経験。オーストラリアと言えばコーヒー屋ですが、バリスタとして雇ってもらうためには最低2年以上の経験が求められる場合がほとんど。さらに飲食の経験、接客業に携わったことがあるか、などなど。ワーホリ利用者は法律上6か月間しか同じお店で働けないため、雇う側も即戦力を求める傾向にあります。

 

たとえ十分な経験をもっていたとしても英語力が不十分であれば落とされる、たとえ英語がペラペラであろうと、経験がなければ取ってもらえない。なかなかシビアな世界です。なかには運良くすんなり働けちゃう人もいますが...。

 "ローカル"で働くことを夢見て、しかしそれがかなわない日本人は数えきれないほど多いです。

 

 

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そんな人たちの受け皿となっているのが日本食レストラン、通称"ジャパレス"

もちろんオーナー、スタッフ共に日本人で構成されているので(時にはアジア人MIX)、日本語オッケー。従業員の入れ替わりも多く、比較的簡単に採用されます。

 

 

日本でバイトしているのとほとんど同じ感覚で働くことができ、しかもキッチンハンドであればお客さんと話す必要もないので、完全に日本語だけでお金が稼げる場合もあります。英語に自信のない人にとっては居心地の良い環境でしょう。

 

しかし、問題なのは給料面。僕の知る限り、シドニーにあるジャパレスの9割以上が法律の外で従業員を雇い、最低賃金を下回った給料を渡しています(、といってもこちらでは特に話題にする必要もないくらい普通のことなのですが、)俗にいうCash in hand/Under the tableというやつです。

 

ほとんどが13,14ドルで、15貰えたらかなりいいほうです。しかもこれは法律の外のお話なので土日、祝日の給料upなんてものは存在しません。

 

聞いた話だと12ドル以下なんてものもあるそうです。 

時給13オーストラリアドルで日本食のキッチンハンドなんかで働いていたら、本当に日本で生活しているのと何一つ変わらない状況なのです。

 

 

 

しかし、こういう環境で働く日本人は非常に多い、というのがここの現実です。みんな頭の中ではわかっていながらも、英語力やその他の障害でローカルの職を得られず、泣く泣く生活費を稼ぐためにジャパレスに身を寄せるケースがほとんどです。 

このケースはもはや一般化されすぎていて、あらためて語る必要もないくらい普通の話になってしまっています。

 

「いまどこで働いてんのー?」

「ジャパレスだよ。」

「あー。時給いくら?13?」

みたいに、ジャパレス = イリーガルの最低賃金以下という暗黙の理解があります。

 

ジャパレス > コリアン > チャイニーズ

しかし、ジャパレスはまだイリーガル界でも景気の良い方らしく、コリアン、チャイニーズレストランではもっと過酷な現実だそうです。

 

店舗によって賃金は違うでしょうし一概には言えないのですが、僕の聞いた話だとコリアン系は時給12.13が相場くらい、チャイニーズ系にもなると時給が10ドルを下回る場合もあるそうな。.....これはえぐい。

 

そんな理由から、ジャパレスで日本人従業員とともに韓国人や中国人が働いていることがよくあります。彼らは従業員と話すために日本語を学び、お客さんとは英語を話しています。

二重に大変じゃん。とも思いますが、ジャパレスのほうがローカルに採用されるより楽というのはここでも同じようで、日本人と混ざりながら少しでも良い給料に集まってきます。オーナーと社員だけが日本人で、あとのスタッフは全員韓国人というお店もあります。

 

アジア系のレストランではどうやら日本が一強らしいのですが、それはイタリアン、フレンチレストランに目を移したときに比べ物にならなくなります。

 

イタリアン、フレンチ ≧ ローカル

イタリアン、フレンチレストランの場合、時給はローカル並もしくはそれを優に超えます。時給は常に25前後。友達は1時間30ドルをもらいで働いています。

 

何がこの差を作り出しているのでしょうか。イタリアン、フレンチという名前のブランド力でしょうか。西欧諸国の伝統的な力の強さでしょうか。理由は分かりません。

イタリア人の友人は英語があまり得意ではなのですが、イタリアンレストランのピザ焼きとして破格な時給を稼いでいます。

 

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タイ料理、インド料理、他のアジア料理を含めても時給が$20を超える場所は殆どないというのに、ヨーロッパ系(他にもギリシャやスペインなど)は悠々とローカルレストランのそれのさらに上。おもわず、「不公平じゃん...。」と漏らしたくなりますよね。

 

 

アジア人は英語力と運がないと良い仕事にありつけないのに対し、ヨーロッパ系は自分の国のレストランで働けばローカル以上の給料をもらえる...。

すこし悲しい現実です。